2023年1月12日木曜日

取るに足らない大きなこと

確か2年前、新年の抱負について夫と話していた時に
「今年はからしを練るのをめんどくさがらない」という事を新年の抱負に決めて宣言した。

我が家ではチューブの練りがらしではなく、缶に入った粉がらしを使っている。
調味料はできるだけ添加物の入っていないシンプルなものを使うようにしていて、からしもそういう訳で粉がらしを使っているのだが。
粉がらしをお湯で溶いて練るというのがなんともめんどくさい。
時間も労力もたいしてかかる訳じゃないのにめんどくさくて、夫に「からしないの?」と言われてもめんどくささが勝る時には「ないよ」と返事をしてしまうくらいめんどくさい。
そんなにめんどくさいならチューブのにすればいいのにとも思うのだが、買い物する時は大体自分のことを過信している。

他にも大根をちょっと擦るとか、生姜をちょっと擦るとか、めんどくさいと考えてしまうことは色々とあるのだが、なんと言っても私にとってダントツでめんどくさいのはからしを練ることなのだ。
そもそもからしの出番が少なすぎて缶が奥の方にあってそれを探すのもめんどくさい。


しかし、「からしを練るのをめんどくさがらない」という宣言をしてからは、夫にからしないの?と言われた時には即座に「今年はめんどくさがらないよ」と一言添えて立ち上がり即練り練り。

以前はまず、あぁめんどくさいな。どうしようかな。練ろうかな。いや、めんどくさいから無いことにしちゃおう。などと思考を働かせて、練る時でさえもめんどくさいなと思いながら練っていたと思う。

その思考を働かせる隙を無くし、からし→練ります。と、ストレートに行動できるようになったらおいおいなんだか気持ちいいではないか。

日常の中のすごく小さなことではあるけど、自分の掲げた決意を実行できているという達成感もあり、からしを練る時もポジティブなマインドでいられるようになった。
決めた事を出来る自分に自己肯定感も上がった。
実際必要な時にからしはあった方が美味しいし。いいこと尽くし。

そんな事を繰り返していたら、思考が働く前にすぐやるという事を大根や生姜や他のちょっとめんどくさいなと思っていたことにも応用できるようになっていった。
(相変わらずな事も多々あるが。)


わざわざこうして書く事が恥ずかしいと思う程に取るに足らない小さなことだけど、日々自分を煩わせている思考。
めんどくさいなぁという考え無しで動けたらどれだけ心地よくいられるだろう。
そんな事を考えてからしを練ると腹を決めて実践しただけで、他にも沢山のいい事があった。

新年の抱負、というものを達成した記憶はそれまでほとんどなかったし、どんな抱負を掲げていたのかすらよく覚えていない。
しかし、ひょんなことから決まった「からしを練るのをめんどくさがらない」という抱負というには随分スケールの小さな決意は私に多くのものをもたらせてくれた。

そんな訳でその年は初めて新年の抱負を抱き続け達成できた年になった。

そして年が変わってからも練り続けられたはず(多分)だし、
今年も引き続き練ります。笑