今私は船に乗っている。
車と一緒に真っ暗な海の上を移動中。
夕方、温泉で移動の疲れを流した後にフェリーの出港まで時間があったので湾を見渡せる展望台へ登ってみた。
螺旋階段を登りきって顔を上げるとその瞬間に花火がヒュルルと上がった。
先にそこにいた若者カップルは違う方向を見ていて気がついていない。
思わず、お節介かと考える間も無く「花火上がってるよ」と声をかけてしまった。
2-3分くらいの短い時間ではあったけど久しぶりに感じたドーン!パラパラパラという大きな音の響きと、咲いては散る光に懐かしさを感じながらしばし見入った。
そういえば今日行った南インド料理屋さんで今日どこかで花火があるらしいよってお客さんが話していたっけ。
先週も夜のビーチで、たまたま見た方向に花火が上がっていた。
どういったいきさつで各地で花火が上がっているのかは分からないけど
嬉しさとセンチメンタルが混ざった様ななんとも言えない感情を呼び起こす11月の花火に
胸がきゅんとした。
花火職人の魂と、この花火に携わる人々の想い、目に見える美しさ以上に大きな愛がこの花火に込もっているんだなぁと思うと、
ありがとうございます。と、ただただそれだけになる。
それと同時に、この美しい土地で出会った沢山の素晴らしい人達に想いを馳せて
全てのご縁と愛に感謝の気持ちで胸がいっぱいになった。
この船に乗る事はほんの数時間前にはまだ決めていなかった。
だけども、大きな流れで捉えた時には実はこの船に乗る事はもう決まっていたのかもしれない。ここで花火を見る事も。
全て自分が決めて動いているようで、実は全て完璧なタイミングでただ起こっているだけ。
力を抜いて流れに乗ればその完璧なタイミングの中に自分がはまってくる。
そんな事を考えていたらもうすぐ船が港に着きそうだ。