2023年11月26日日曜日

【My first India trip】⑤マダムと呼ばないで

朝食前のアシュラムにて、ホールの床に座り目を閉じて力強いチャンティングの響きに身を委ねていた時の事。
チャンティングが終わったと思ったら突如として周りの人々が立ち上がり並び始めた。
神聖なミルクが配られるのでそのために並んでいるのだった。

私たちも列に入ろうと慌てて立ち上がると前にいたおばちゃんが「さあ列の中に入って」と手招きしてくれたので、優しいなぁと安心してなんとなく遠慮気味に入ったつもりでいたら、
後ろにいたおばちゃんがムニーっと前に詰めてくるではないか。その圧で私と和美さんは列から押し出されたが、なんとか5cmくらいおばちゃんたちに挟まってる感じだったのでそこから入り直そうとしたが後ろのおばちゃんは更にみっちりと前のおばちゃんに密着。
もう1ミリの隙間も無いよ。

はて、どうしたものかと思い後ろを振り返るも、50人位(もっといたかも?)の人が前後の隙間なくみちーっと密着して一列に並んでいる。そこにはみ出しくっついているジャパニーズ二人。
全員がっちりとくっついて動かないので私たちもそのまま動かずにいると、後ろの方で男の人が「なんだその振る舞いは」などとちゃんと並んでいない人を注意しているのが聞こえた。
うわぁ、自分も何か言われそうだなぁ、、と考えていると次の瞬間には「マダム!マダム!」と言いながらこちらに近づいてきた。「一体これはなんなんだ!あっちに並びなさい。」と最後尾を指差している。
仕方なく一番後ろに並び直したが、なんとも言えない悔しさと悲しさと敗北感が残った。

インドに来る前に、インドに何度も訪れているベルリンのキャスリンから「インドで列に並ぶ時には両肘を使って自分の順番を主張しなくてはならない事もあるよ」とジェスチャー付きで言われていたのを思い出した。

なるほどこういうことか。
でもアシュラムで肘は使いたく無い。笑

そんなこんなで朝食の時間には遅刻する事になったが、最後尾で頂いたミルクの味は驚くほど甘かった。


朝ご飯で癒されて、少し瞑想をしてから部屋に戻り休んだ後、アシュラムのすぐ裏のアルナーチャラという山の中腹にあるアシュラムへ行ってみることにした。
このアルナーチャラという山自体がシヴァ神であると言われていて、裸足で登るのが基本らしいがサンダルでも大丈夫との事だった。

「猿が襲ってくるから荷物はストールで覆ってファスナーの音は立てないように、それから木の棒を拾って襲われた時の用心棒にすると良いよ」と言うまりさんから事前にもらった注意事項を守り、用心しながらサンダルを履いて登り始めた。
お昼が近く気温もかなり高く少し登っただけで汗だくだった。

しばらく進むとずいぶん後ろから「マダム!」の声が。
自分じゃ無いだろうと気にせずいたら再び「マダム!」と。

恐る恐る振り返ると「サンダルを脱ぎなさい!」と言うインド人のおっちゃん。
「この山は神様だから裸足じゃないとだめ!」
まあまあの声量だ。
「わかりました〜!今すぐ脱ぐから〜!」と素直に従う私たち。

裸足で登ってみたい気持ちもあったし、郷に入りては郷に従え。だ。
それはいいんだ。この国の文化やマナーを尊重して過ごしたいし、裸足で登るのはいいの。

だけど、この午前中2回の「マダム!」コールですっかりマダム!って呼ばれると(ひゃー、怒られる!)って思うようになってしまった。笑

ついでに、マダム!マダム!って追いかけられて逃げる話もあるんだけど、それはまたの機会に。


頼むからもうマダムと呼ばないで。笑



スカンダアシュラムへの道。

アシュラム付近で人が増えてきた。

登っている途中で小さな女の子が「一緒に歩いてもいい?」と現れ
しばらく一緒に歩いたのも良い思い出だ。